2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

シナリオ作成(8)

プログラム言語?僕はもう一度原稿を覗き込んだ。目白依子が書いた「魔王の呪文」を。そうだとしても専門知識のない僕には中途半端な英文と数式を組み合わせた文字の羅列にしか見えなかった。まぁ、もっとも「物語の仕掛け」として、魔王の呪文が「プログラ…

シナリオ作成(7)

「物語」は巨大な火山が噴火し溶岩を吹きだす火口付近に、星空から7つの光が落ちて着地する描写が続いていた。"前方の視界全面を覆い尽くしている黒い山からは、血の筋のようなマグマが流れ出していた。「まるであれは魔の山のように見える。地獄の火の山と…

シナリオ作成(6)

僕たちが目白依子の原稿を読みふけっていると硝子戸の廊下側に小さな影がちょろちょろと動きまりはじめた。そっと戸をあけると、その影の正体は、やはり先ほど追い出された子鼠の頭領のようだ。"山椒魚の兄"から「リュウゾウ」と呼ばれていた男の子だった。…

シナリオ作成(5)

”水晶の塔がその姿を現した。それは星にまで届かせようとして、伸ばした触角のように今まさに天を突き上げた。”塔の根の門が開けば、そこには影絵のようにゆらゆら揺れながら何かが奥からやって来たが、やがて固まったひとつの形となった。それは大きなマン…

映画の製作(2) シナリオ作成(4)

その廊下の右側のガラス戸が1つ横に開くと、中から大きなビニール袋を抱えた目白依子が出てきた。透明なビニール袋の中には色とりどりのスナック菓子の袋が押し込まれていた。目白依子は、僕達を先導していた矢島幸恵に目で合図すると、僕達の脇を抜け、パ…

映画の製作(2) シナリオ作成(3)

「きみ、栗本さんところの息子さんなんですってね。」"山椒魚"から"矢島幸恵の兄"となった彼はそう言うと、両手にかかえているゲーム機を先頭に出てきた男の子に放った。「そら!、隆三、続きは家のほうで遊びな。」それをキャッチした子供達はまた「わっ」…